澄んだ空気と秋の空

              mymy

 澄んだ空気と秋の空は私の大好きな光景である。十月のはじめ、サトイモの収穫が間近いころになると、八つ頭の赤紫のくきが立派に育ってくる、店頭に並ぶ赤ズイキの茎を今か今かと待ちわびる。農協の店頭に並ぶと、早速買い求め、狭い庭一杯に広げて皮むきが始まる。晴天の小春日和は空気がすみ、十月はズイキの乾燥に良い頃とされている。

ズイキはあくで手が真っ黒になる。薄いビニール手袋をして剥き続けて一時間、ほぼ剥き終わり重い腰を上げて、一休み、思わず空を眺めて深呼吸、ヘリコプターが音を立てて旋回している。

埼玉のこの地でも懐かしい田舎風景が味わえる、田舎ではごく当たり前の風景が、土地が変われば新鮮に思うのである。

 芋がらの皮が剥き終わると、乾燥に一工夫をし、ビニール紐ですだれのように、つるす用意をして物干し竿に吊るすのである。一連の作業が終わり、ほっとして、青い空を眺めた。はや時刻は四時を指していた。澄みきった秋の高い空で思い出すのは、渡り鳥が群れを作って、飛んでいる時のこと、日本の秋を惜しむかのようにも見えたのである。あと数日後には列島を離れ旅たつことであろう。昨年目に飛び込んだ鳥の群れの光景を心に描きながら、空を観賞するほんのひと時の、癒しの時間が好きである。.

 我が家の秋の風物詩でもある。芋がら干しは晴天が続くと一週間で、冬の乾物が出来上がるのである。素朴な味の芋がらズイキは、お水で戻し、油あげや、さつま揚げ等で炊く、また、けんちん汁に入れて味を楽しむことができる。冬の何もないとき頂くのは格別である。食べるとき思い出すのは、澄んだ空気と秋の空、ヘリコブターや渡り鳥などを思い出しながら、毎年この時期が懐かしく思い出される。

今年も重い腰をなだめながらの作業であった。







更新:2009年11月25日 9:56:30


へ戻る